なぜ?いつまで?Instagram(インスタグラム)「いいね!」非表示の理由

更新日時 : 2021-12-25 11:10

なぜ?いつまで? Instagram(インスタグラム)が「いいね!」非表示を進める理由

2019年5月から始まったInstagram(インスタグラム/インスタ)の「いいね!」数を非表示にするテストが、7月から日本を含む世界各地域に拡大。
さらに9月26日以降、テスト範囲がさらに広がり、対象となるユーザーが増えています。

あくまでもテストが目的とされていいますので、全てのユーザー対象ではないものの、皆さんの周囲にも、「いいね!」数が表示されなくなったアカウントがあるかもしれません。

どうして非表示テストを行っているのでしょうか?

「いいね!」数の非表示化はインスタの原点回帰!?

誰のいいねが見られなくなる?

誰のいいねが見られなくなる?

「いいね!」数が見られないのは、“他人が投稿した写真や動画”です。
普通なら投稿のすぐ下に「いいね!」数が表示されますが、非表示テストのユーザーになると、これが見られなくなります。

ただし、消えてしまった「いいね!」数も、自分の投稿であれば、「○○さん他がいいね!しました」の部分をタップすることで、今まで通り「いいね!」数を確認できます。

なお、投稿した本人以外がタップしても、「いいね!」数は表示されません。

また、「いいね!」数だけでなく、動画再生回数の非表示化も同時にテストされています。
こちらも、投稿者本人は今まで同様に再生回数を確認できます。

なぜ非表示に?その理由

なぜ非表示に?その理由

Instagramの発表

Instagramはテストの実施理由に関して、「どれだけ多くの『いいね!』を獲得したかではなく、シェアした写真や動画を重視し、見てほしいから」だと発表しています。

というのも、日本に限った話でも、2014~2015年頃からインスタ人気が高まり、その後2016年頃に“インスタ映え”という言葉が注目されるようになります。

この“インスタ映え”とは、たとえば感動的、美しい、見栄えがいいなど、多くの「いいね!」数をつけてもらえそうな写真を投稿することです。

テストの狙い

“インスタ映え”は、2017年ユーキャン新語・流行語大賞で「年間大賞」に選ばれるなど、流行語にもなりました。

ところが、いつからか“インスタ映え”の言葉だけがひとり歩きし始め、実際には「誰もが感動する写真」より、「『いいね!』数を競う」ことが目的になりすぎている状況も……。

そんな過熱する“インスタ映え”や“いいね!”ブームに嫌気が差し、インスタの利用をやめてしまった人も少なくないと聞きます。

こうした現状を気にかけたInstagramが、

  • 「誰も感動する」写真や動画本来の魅力に立ち戻ってほしい
  • 投稿するユーザーが純粋に気になった
  • 気に入った写真を投稿する

といった、ユーザー自身の主観で利用するインスタ本来の使い方である“原点回帰”を試みたテスト、と言えるかもしれません。

インスタで「いいね!」非表示テストユーザーに選ばれると?

インスタで「いいね!」非表示テストユーザーに選ばれると?

テストの流れ

では、「テストに選ばれるとどのような表示になるのか?」というのは、対象になっていないユーザーにとっては気になりますよね。

テストなので、対象ユーザーごとに見え方が違うかもしれませんが、基本的には次のような流れで非表示テストが始まります。

  1. テスト対象になった場合、アプリ起動時に「『いいね!』表示の変更に関するテスト」というお知らせが表示
  2. 「OK」ボタンを押すと普段なら表示される「いいね!」の件数が非表示に

ちなみに、テスト告知画面にはOKボタンしか表示されないので、対象ユーザーとなったら必ず参加しなければならないようです。

非表示になると、タイムライン上にある複数の人に「いいね!」された投稿でも人数が表示されません。

さらに「いいね!」している人の一覧を見ても、「この投稿に「いいね!」した人の数は○○さん以外には表示されません」という文章が表示され確認できません。

テストはいつからいつまで?

テスト該当者のフィードバックから改良などを行い、採用するかを決めるそうです。
テスト対象アカウントの選定方法やテスト期間については、完全に非公開となっています。

「いいね!」数の争いよりコンテンツ、クオリティーを重視

「いいね!」数の争いよりコンテンツ、クオリティーを重視

心理学者の間では、「いいね!」数の非表示化に、インスタユーザーが群集心理から暴走に陥るケースを減らす効果も指摘されているとか。

ここでいう“暴走”は、ナルシシズム、嫉妬、自尊心喪失などを招く危険性のこと。

たとえば、ニュースなどでも見かけたことがある人もいるかもしれませんが、「いいね!」ほしさに禁止されている施設や危険な場所で自撮りなど、行動が過激化してしまうことも。

当然Instagram自体はそのような意図を持ってSNSを作ったわけではありませんが、ユーザーが増え定番ツールとして定着した今、それだけ影響力が強い証とも言えるのですが……。

と同時に、

  • 「いいね!」」数を知ることができなければ、数を競い合う傾向も抑えられる
  • 「いいね!」数ではなく、クリエーターの集中力をコンテンツ・クォリティへと促す効果もある

といった見解も述べられています。

期待外れだと削除してしまう投稿者

思ったほど「いいね!」が集まらなかった投稿を、期待外れだと削除してしまう投稿者は多いはず。
逆に「いいね!」がほしいあまり、マナーを無視したウケ狙いコンテンツに走るケースも目立ちます。

こうした競争は無益で、投稿のコンテンツにもっと集中すべき。これがInstagramの見解なのです。
同社は「ユーザーが感じがちな競争的圧力を減らす方策の一環として、各種の新しいデザインを検討してきたことは事実だ」とも語っています。

インスタの「いいね!」最高数は4,000万件超

インスタの「いいね!」最高数は4,000万件超

ところで、インスタの「いいね!」最高数がどれくらいかはご存知ですか?

少し前まではアメリカのファッション・モデル、カイリー・ジェンナーの1,800万件がトップといわれていました。
インスタ映えブームとともに各方面で報道されたため、覚えている方もいらっしゃるでしょう。

ところが、2019年には従来の記録を軽く打ち破る、4千数百万件の「いいね!」を獲得する投稿が登場しました。

「一緒に世界記録を作ろう。カイリー・ジェンナーの記録を打ち負かそう!」と呼びかけられ、瞬く間に記録を樹立した投稿は、なんと鶏卵がひとつだけ写った写真。

なんの変哲もない卵の写真が「いいね!」記録を更新したのですから、当然、賛否両論が沸き起こりました。
たしかにこれでは、何のための「いいね!」なのか、「いいね!」の数に意味があるのかと疑問に思うかもしれません。

“YouTuber(ユーチューバー)”と“インスタグラマー”は似て非なるもの?

“YouTuber(ユーチューバー)”と“インスタグラマー”は似て非なるもの?

インスタのフォロワー数や「いいね!」数が多いユーザーは“インスタグラマー”と呼ばれ、多くは企業とスポンサー契約を結び商品PRの場に活用。
自身が広告塔になることで生計を立てているわけです。
YouTubeで話題のYouTuberとも、相通じるものがあるでしょう。

こうした傾向の広まりが、「いいね!」数とフォロワー数への偏重を生んでいることもたしか。
Instagram側は、そうした状況を良く思っていないわけです。

結果的にインスタグラマーが増えたとはいえ、それはInstagramが意図したものではありません。
YouTuberが育つことで市場の活性化につながるという、YouTubeの方向性とは似て非なるものと言えるかもしれません。

そんな主張も、今回のテストには見え隠れしている印象を受けます。

インスタグラムのイメージ

ちなみに、インスタの新機能「ストーリー」にも「いいね!」偏重を防ぐ意図が感じられます。
「ストーリー」への投稿は24時間で自動削除され、「いいね!」機能もありません。
そのため、ユーザーは「いいね!」数を気にせず、自由に投稿できます。

通常投稿より気軽に投稿できる「ストーリー」主体のユーザーも増え、実装は成功したと言えるでしょう。

また、プロフィールのデザイン変更で、フォロワー数が目立たなくなったことにはお気づきですか?
実はこれも、「ユーザー同士がより気軽に交流できるように」という、Instagramが目指す方向性の一貫なのです。

参考:Instagramプロフィールの改善– Instagram

今後も、同様の意図を持った新機能が実装されていくでしょう。
変わろうとしているInstagramの動向から、当面は目が離せませんね。

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