家電小ネタ帳
家電製品のアース線は接続しないとダメ?
公開日時 : 2019-09-22 18:00
更新日時 : 2019-09-22 18:00
電子レンジや洗濯機などについているアース線。
この線をアース端子に接続しなくても機器は作動するため、接続せずに放置してしまうことがあります。
しかし、アース線の未接続は危険を伴います。
アース線は電気の危険から人を守る大切なもの。
アース線の接続がなぜ必要なのかを解説します。
アース線の役割
アース線は大地(地球)に電気の回路をつなぎ、万が一電流が漏れてしまった場合に、その電流を地面に流す役割を果たしています。
大地は電気的に安定している場所であり、電気を逃がす場所として最適です。
電子レンジを例にとると、老朽化などで電子レンジ内部の回路が破損した場合、電流が外部に漏れてしまうことがあります。
その状態で人が電子レンジに触れると、電流が人の体に伝わり、感電してしまいます。
このときアース線がアース端子に接続されていれば、電流は人よりも流れやすいアース線を伝わり、地面へと流れていきます。
アース線は電流の逃げ道となり、漏電から人を守っているのです。
アース線をつながないと起こり得るリスク
家電製品の表面を伝って電流が人体へ流れてしまう漏電は、アース線を接続しない場合に想定される最大のリスクです。
特に湿気の多い場所、結露の多い場所は電気が流れやすい環境なので、キッチンで使う家電製品や洗濯・乾燥機の設置場所、温水洗浄便座付きのトイレなど、水回りで使用する家電製品には、ほとんどアース線が付いています。
また、落雷でも漏電のリスクがあります。
落雷の放電時に一瞬で発生する膨大な電流が、屋内の電気機器に伝わり、電気回路を破損させて漏電へとつながります。
この場合、電流を逃がすアース線はその被害の軽減対策となります。
ほかに、電磁波のリスクも考えられます。
電気が流れるところには電磁波が発生し、強力な電磁波は人体に悪影響を及ぼす可能性があります。
電磁波が発生しやすい家電製品としてテレビやパソコンがあげられますが、それらにはアース線がついています。
電磁波は電波障害の原因となる電気ノイズも生み、電気があるところには静電気も発生します。
アース線は、それらの逃げ道にもなっているのです。
アース端子がない、あるいは線が届かない場合の対処法
家電製品のアース線を接続したくても、壁面のコンセントにアース端子がない、あるいはアース線が届かないケースがあります。
アース端子がない場合は、アース工事を電気工事店や家電販売店などに依頼する必要があります。
アース線が届かない場合は、長いアース線を家電販売店やホームセンター、通販などで購入してつけ替えます。
また、複数の家電製品に対してアース端子が1つしかない場合は、1つの端子に複数のアース線を取り付けても問題ありません。
最近は壁面のコンセントが、アースの極付きの三つ穴コンセントになっているケースも増えています。
一方、機器側のアース線がねじ止めタイプの場合は、市販の変換プラグを利用して接続してください。
パソコンなどの電磁波、ノイズ対策の場合、アース線の接続は水回りの機器ほど優先順位は高くありません。
アース端子が近くになければ、アース線の先端の銅線部が露出している部分に絶縁テープやビニールテープを巻いて絶縁処理をすることで、アース端子に接続しなくてもノイズ対策になります。
もちろん、家の中の機器のアース線をすべて接続することが最善策です。
家電製品のアース線がちゃんとつながっているか再確認して、漏電と電磁波から身を守りましょう。