電池の種類と選び方を解説! アルカリとマンガンの違い、ボタン電池、充電池などの特徴 は?

更新日時 : 2022-08-15 18:51

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電池の種類を気にせず機器にセットしている方も多いでしょう。

ただ、電池は種類ごとに特徴が異なり、向いている機器も違います。

選び方を間違えると高い電池を購入して損をしてしまうことも…。

今回は電池の種類をおさらいしつつ電池の選び方を解説していきます。

電池選びに迷ったときはぜひ参考にしてみてください。

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電池の種類

電池にはどのような種類があるのでしょうか。

まずは電池の種類について、乾電池やボタン電池、充電池などを解説していきます。

乾電池

乾電池の画像

乾電池とは、電解液を石膏(せっこう)で固めることで液体がこぼれないようにした電池です。

「乾」は液体がこぼれないという意味をあらわしています。

使い切りの電池であり一次電池に分類されています。

乾電池は主にアルカリ乾電池とマンガン乾電池、リチウム乾電池に分かれます

【アルカリ乾電池】

アルカリ乾電池の画像

アルカリ乾電池は、パワーがあって長持ちです

大きな電流が必要な機器に適しています。

具体的には携帯ラジオやラジコン、LED懐中電灯、CDプレーヤーなどです。

【マンガン乾電池】

マンガン乾電池の画像

マンガン乾電池は、適度な間隔を空けて使うと電圧が回復します

オン・オフを繰り返し小さな電流を流す機器に適しています。

具体的には、リモコンやキッチンタイマー、豆球懐中電灯などです。

【リチウム乾電池】

リチウム乾電池の画像

リチウム乾電池は、凍りにくい有機系の電解液を用いているので耐寒性があります

低温でも充分なパワーを発揮するため、冬のレジャーや寒いエリアで使う機器にも適しています。

たとえば、スキー場のカメラ撮影や冬登山のヘッドライトなどです。

アルカリ乾電池・マンガン乾電池・リチウム乾電池の違い

アルカリ乾電池 ・力が強い
・マンガン乾電池より長持ち
・携帯ラジオやラジコン、LED懐中電灯、CDプレーヤー向き
マンガン乾電池 ・休ませると電圧回復
・価格が安い
・リモコンやキッチンタイマー、豆球懐中電灯向き
リチウム乾電池 ・アルカリ乾電池より長持ち
・耐寒性がある
・スキー場でのカメラ撮影や冬登山のヘッドライト向き

アルカリ乾電池・マンガン乾電池・リチウム乾電池の大きな違いはパワーです

一般的にリチウム乾電池>アルカリ乾電池>マンガン乾電池の順にパワーが高くなります。

したがって、スマートフォンを乾電池で緊急充電したい場合にはリチウム電池が適しています。

ただし、リチウム乾電池はパワーが高い一方で、価格が高くなりやすいです。

また、初期電圧が高くて一部の機器では適切に動作しないことがある点に注意しましょう。

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ボタン電池

ボタン電池の画像

ボタン電池とは、直径よりも高さが小さい電池です

形状や大きさからコイン電池やマイクロ電池、ミニチュア電池などと呼ばれることもあります。

【酸化銀電池】

酸化銀電池の画像

酸化銀電池は、大容量でギリギリまで一定の電圧を保てるボタン電池です

電池メーカーmaxell(マクセル)が日本初の商品化を成功させました。

医療器具や精密機器などに幅広く使用されており、高精度が要求されるクォーツ時計の電源としても有名です。

【アルカリボタン電池】

アルカリボタン電池の画像

アルカリボタン電池とは、経済性に優れたボタン電池です

携帯ゲーム機や電卓、歩数計などに使われています。

使っているうちに電圧が低くなってしまう特徴がありますが、安価な時計に活用されることも多いです。

【リチウムコイン電池】

リチウムコイン電池の画像

リチウムコイン電池は、エネルギー密度が高いうえに安定的に動作するボタン電池です

アルカリボタン電池や酸化銀電池よりも電圧が高くなっています。

自己放電が少ないほか、低温や高温でも安定したパワーを発揮します。

用途は体温計やセンサ、ウェアラブルデバイスなどです。

充電池

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充電池は電池が切れても充電して再利用できる電池です

二次電池とも呼ばれています。

使い始めから使い終わりまで安定した電圧で長時間使えます。

電池容量の抜けが少なく、充電後に長期間空いてもすぐに使えるのが特徴です。

【ニッケル水素電池】

ニッケル水素電池の画像

ニッケル水素電池は、ニッケルと水素ガスで作られている充電池です

一般的な乾電池と同じくらいのサイズで販売されていて、価格もお手頃になっています。

長時間放置しても利用できるので、リモコンやラジオなどの電池が切れたときなどに使いやすいです。

【リチウムイオン電池】

リチウムイオン電池の画像

リチウムイオン電池は、リチウムイオンが電池の正極と負極を往復することで充放電が行われる充電池です

ニッケル水素電池よりもエネルギー密度が高く、大きなパワーを出力できます。

電気シェーバーやデジカメ、ラジコンなどを利用するのに適しています。

リチウムイオン電池の注意点

リチウムイオン電池の注意点のイメージ

リチウムイオン電池は、パワーが強い分、発煙や発火のリスクが少なからず存在しています

端子が熱くなったり異臭がしたりしたときは、使用するのをやめましょう。

製造元や仕様を最低限確認し、不明確な商品を購入しないようにします。

リチウムイオン電池は捨て方にも注意が必要です

一般ごみやプラスチックごみと一緒に捨てると、ゴミ収集車や処理施設で発火や火災の事故につながるリスクがあります。

ビニールテープなどで絶縁処理をしてから、電器店やホームセンターに持ち込みましょう。

リチウムイオン電池の飛行機への持ち込みについて

リチウムイオン電池の飛行機への持ち込みについてのイメージ

リチウムイオン電池が内蔵・装着された一般電子機器類は、容量によっては飛行機に持ち込めない場合があるので注意が必要です。

本体に内蔵されている電池のワット時定格量が160Wh(ワットアワー)を超えるものは機内への持ち込みができません。

ワット時定格量が100Whを超え160Wh以下のものは、2個まで機内持ち込みができますが、お預けはできません。

ワット時定格量のもとめ方は、「ワット時定格量(mAh) ÷ 1000 × 定格電圧(V) = ワット時定格量(Wh)」の計算式で算出できます。

※mAh=ミリ・アンペア・アワー/V=ボルト/Wh=ワットアワー。

代表的な航空会社(国内線)が定めている、リチウムイオン電池の持ち込みについて

種類 ワット時定格量(Wh) 機内への持ち込み お預け
本体に内蔵されている電池 160Whを超えるもの × ×
160Wh以下
・予備電池
(ショートしないように個別に保護してあるもの)
・モバイルバッテリーなど
100Whを超え、160Wh以下 〇(2個まで) ×
100Wh以下 ×

※ご利用する航空会社によって異なる場合がありますのでご注意ください。

充電池と乾電池の違い

乾電池の画像

充電池は充電にかかる電気代が少ない点も魅力として知られています

たとえば4本同時に充電しても1回あたり約1円で済む充電池があります。

乾電池を何度も購入するより経済的です。

ワイヤレスマウスやコードレス理美容機器など、電池を頻繁に交換する機器に適しています。

不要になった充電池は、リサイクルしてステンレスに変えられます。

環境問題が気になる方でも利用しやすいです。

なお、充電池を充電するときには充電器が必要になります

充電池と充電器がセットになった商品があるので、初めて充電池を利用するときはセット商品を探してみてください。

電池の選び方

ここまでさまざまな電池の種類ごとに適した機器をご紹介しましたが、使う機器以外にも押さえておくべき選び方の基準があります。

乾電池や充電池の選び方について解説していきます。

基準1.値段

値段のイメージ画像

乾電池は同じ種類・形・本数でも、値段が数百円ほど違うことがあります。

たとえば単3のアルカリ乾電池8本だと、通販サイトの価格帯は150円~700円ほどです。

メーカーごとの電池の強みを理解しているのであれば、高価な電池を購入するのは問題ありませんが、特に製品に対するこだわりがない方は、極端に高い価格の製品を選んでしまわないように注意しましょう。

基準2.型番

型番のイメージ画像

ボタン電池は形状や大きさの違いを見分けづらく、機器に対応していない電池を買ってしまいやすいです。

無駄な買い物をしないように型番に着目しましょう。

電池の型番は「電池系」「形状」「寸法」の順に並んでいます

たとえば、SR44であれば、酸化銀、円筒型、外径11.6mm×5.4mmです。

CR1216であれば、二酸化マンガンリチウム、円筒型、外径12.5mm×高さ1.6mmの電池をあらわしています。

数字が2桁の場合は記号として対応する外径を読み取り、4桁の場合は前2桁を外径、後ろ2桁を高さとして読み取ります。

参考に電池系や形状、寸法を表としてまとめます。

【電池系】

記号 種類
S 酸化銀電池
L アルカリ乾電池
C 二酸化マンガンリチウム電池
P 空気電池
なし マンガン乾電池

【形状】

記号 形状
R 円筒型

【寸法】

記号 外径(mm) 高さ(mm)
41 7.9 3.6
43 11.6 4.2
44 11.6 5.4

型番の表記のイメージ画像

基準3.水銀0使用

水銀0使用のイメージ画像

近年はSDGsの目標に関心が集まり、環境に優しい製品を選んでいる方もいるでしょう。

過去の乾電池には、電池の性能を低下させないように、水銀が含まれていました

水銀は環境に排出されると、人間が食べる魚の体内に取り込まれ、健康に悪影響を与える物質です。

そのため、近年では水銀の使用が控えられるようになってきています。

ただ、一部の電池では現在も水銀が使用されています。

環境を守りたい方は、パッケージに「水銀0使用」という文言が記載されているかどうかもチェックしましょう。

水銀0使用の表記場所の画像

充電池の選び方

充電池は乾電池とは選び方の基準が異なるのでしょうか?

充電池の選び方を解説していきます。

基準1.充電回数と使用時間

充電回数と使用時間のイメージ画像

充電池を選ぶときは、長年にわたって充電池を使いたい場合、繰り返し利用できる回数が多い製品を選びます

一つの機器を長時間利用したい場合、1回の使用時間が長い製品を検討します。

容量をあらわすmAh(ミリ・アンペア・アワー)の数値が小さいと充電頻度が増える傾向です。

基準2.使い方

使い方のイメージ画像

メーカーによっては、パワーが必要な機器用のハイエンドモデルや、オールラウンドに使えるスタンダードモデルのように、使い方で充電池を区分して販売している場合もあります

使い方に適した充電池を選びましょう。

基準3.液漏れ耐性

液漏れ耐性のイメージ画像

充電池は乾電池と比べて液漏れしにくい作りになっています。

とはいえ、充電池は長く使うので、液漏れが不安な方もいますよね。

液漏れしにくい製法で作られた充電池もあります

液漏れによって機器がサビついてしまわないよう、液漏れに強い充電池かどうか調べてみると良いでしょう。

パッケージなどには書いていないことが多いので家電専門店であれば店員に尋ねてみましょう。

充電器の機能にも着目

充電器の機能にも着目のイメージ画像

ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの充電池は、必要以上に充電すると高温状態が続き、バッテリーの寿命が短くなってしまいます

したがって充電池を選ぶときは、充電器の過充電防止機能を確認することが大切です。

たとえば、過充電にならないように、使った分だけ充電してくれる充電器があります。

そのほか、充電できない電池を充電しないよう、乾電池充電防止機能が備わっている充電器もあります。

充電器の機能に着目すれば、充電池を安心して充電できるでしょう。

電池の種類を理解して費用対効果を高めよう!

ノジマスタッフのイメージ

以上、電池の種類や選び方を中心に解説しました。

乾電池やボタン電池、充電池には、マンガン乾電池やアルカリボタン電池、ニッケル水素電池など、さまざまな種類がありました。

種類によって、利用に適した機器や環境が違ったり、パワーや価格が異なったりすると、おわかりいただけたでしょう。

頻繁に利用する機器であれば、充電池の利用が経済的でした。

電池の購入でわからないことがあれば、ノジマの店頭スタッフにご相談ください。

ノジマにはメーカーの販売員がいないので、メーカーに忖度することなく、お客様のご利用の用途にぴったりの電池をご案内いたします。

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